横ズレの補強対策

2017年07月19日[更新]

東日本大震災のようなプレート型の大震災では、大きな横揺れが長時間、続きますので、基礎が横ズレするという被害は発生して来ます。

基礎が横ズレしたという事例に、私は今のところ大分県では遭遇していませんが、基礎自体の強度が不足した家が被災すると、次の写真のように基礎全体がズレてしまいます。

この場合、最終的には鉄骨で横ズレしないような補強をするのですが、その前に地盤の弱かった面について、ベタ基礎で補強します。既設の基礎と一体化させるため、次のように差筋と配筋をキッチリと行います。

そうして、コンクリを敷設してベタ基礎にします。

 

基礎が横ズレしただけでなく、軟弱地盤の箇所が、下の写真で分かるように傾いてましたので、ジャッキアップして床を水平にします。

<画像をクリックしてアップにすると、傾きがよく分かります>

 

床が水平になり、基礎補強も出来た後、このように鉄骨補強して横ズレ防止の対策とします。

基礎毎、ズレ込んだ面全体を鉄骨補強してますので、見た目の安心感だけでなく、実際にその後、余震は来ていたものの、基礎が動いた形跡がありませんでした。

地震による家屋被害には色んなパターンがあるのですが、基礎毎、横ズレするケースでは、上記の対策も一つの主要な方策になって来ると考えています。これから、同じような被災事例に出くわした際は、こういう提案もしていきたいと考えています。