今朝は大分にも台風が来ましたので、工事が出来るかどうか心配だったのですが、本当に運のいい事に、部材を荷卸しするタイミングと合わせるように雨が止みまして、お蔭様で予定通りの工事(ユニットバス組立)を行う事が出来ました。
今回のお客様宅では、タイル風呂の壁全面にカビが生えており、何をやっても無くならず、いつも悩まされていたそうです。結果には必ず原因があるもので、解体してみたら必然的に原因が見えて来ます。そうしたら下の写真の通り、洗い場の土台が腐ってしまってる状態でした。手で触ると、このようにボロボロ落ちてしまいます。
なぜ、こんな状態になったのかと申しますと、解体してみたら壁裏からビニールシートが出て来ました。恐らく、湿気を通さないようにするつもりだと思いますが、この事がかえって湿気を閉じ込めてしまい、しかも壁面全体に閉じ込めてしまったため、壁面全体がカビてしまってました。湿気の発生源は、洗い場の目地と給水管でした。
こういう施工を見ていて思うのですが、昔の土壁の家はなぜ、湿気問題が無かったのだろうかと考えないのでしょうか?人間の浅知恵は、自然界の摂理に敵う訳がなく、なぜ、1000年以上の長きに渡って取り組んで来た大工さんや左官さん達の知恵を活かそうとしないのでしょうか?
今回の問題に対する私の解決策は、ユニットによって浴室内から水漏れしない様にする事、そして高断熱と床下調湿です。細かい施工に関しては、ここでは掲載しませんが、見た目の仕上がりは同じでも、見えない部分でどういう施工をしているのかで、これまでの悩みから解放されるのか、同じ悩みを持ち続ける事になるのか、が大きく異なって来ます。
施主様には、毎日現場で事細かに説明させて頂いてますので、工事中なのですが既に、効果を確信頂けているようです。工事中の写真はあまり掲載出来ませんので、組立完了時点の写真だけ掲載させて頂きます。
今までは開き戸だったのですが、軽くて広く使える引き戸にしました。浴槽は魔法びん浴槽で床はほっカラリ床です。そこに更に付加断熱してますので、冬の寒さから解放されます。
今回工事での湯布珪藻土塗りは洗面所だけで、洗濯物の室内干しをする場所がありませんでしたので、浴室暖房乾燥機を入れました。これで、梅雨時に洗濯物で悩まされる事もなくなります。浴室が干し場になる訳です。
まだダンボールの養生を剥がしてませんが、手すり機能のあるスライドバーやエアインで節水効果のあるシャワーを採用してますので、高齢者もお子さんも、楽しみながら入浴出来る様になると思います。
今回のお客様から喜ばれてるのも、単に新しいものに換えるだけでなく、今までのお悩みを解消し、寒さからの解放と共に、ご家族全員が楽しめる仕様にしているからだと思います。そういう提案力をつけるためにも、解体現場で勉強する事は非常に大切だと今回も感じました。