本ブログでご紹介させて頂いた古民家リフォームに関して、以下の問題を挙げておりました。
①シロアリの被害で4cm沈下した柱があった。(今は生息していない)
②基礎が無く、束もほとんどない状態だった。
③耐震上の問題があった。
④桁や梁が低いため、天井高が低い。
⑤天井高が低いため、換気扇のダクトが引けない。
前回は、①②についての解説をしましたので、今日は③について、ご紹介させて頂きます。
熊本地震による被害を調査した結果、直下率(2階の壁の下にも壁を設ける)が重要視されるようになって来ました。この現場で確認してみましたら、2階の壁の下に壁が全くない状態でしたので、梁が下の写真のように長年の重みに耐えかねて、割れてしまってました。
<画像をクリックすると、拡大して見れます>
この対策として、梁の下に基礎を作り、その上に耐震壁を作ります。基礎については、前回のブログでご紹介させて頂きました通りで、下の写真の様な頑丈な基礎を作りました。
そして、ホールダウンアンカーで基礎と土台・柱を一体化し、筋交も専用のプレートで柱脚を固定させます。
柱頭も同様に、専用金物(オメガコーナー)と筋交プレートで固定させます。
全体を見ると、こんな感じです。
その上には耐震用に、土台から梁まで一枚の構造用合板で固定させます。
耐震用の構造用合板の上には、仕上げ用下地の耐火ボードを張ります。
そして、全面に耐火ボードを張ってしまえば、壁下地まで完了です。
最終的には、この上に湯布珪藻土を塗って仕上げます。
以上で、③耐震上の問題があった、まで説明が終わりました。次回からは引き続き、④⑤について、ご紹介させて頂きます。