私が仕事をしている金池モデルハウスは、あくまでリフォームのモデルハウスですので建具等は既設のモノをそのまま移設してますが、断熱等の基本性能を高めつつ、異なる断熱サッシでの結露の違いを検証出来るようにしています。結論として言える事は、住環境を快適にすると必ず結露の問題が発生し、単板のアルミサッシを残すとどうしても結露が発生してしまうという事です。
私が仕事をしている事務所は12㎡(約7畳)の広さで、断熱については、壁・床・天井にNDパネルと湯布珪藻土塗り、床は杉の無垢材を使用しています。要するに、弊社の標準仕様です。温熱環境としては、ストーブにヤカンを置くだけの暖房をしています。エアコンも設置していますが、今は不使用です。
サッシについては、元々30年前の単板ガラスにアルミサッシが2箇所入っていたのですが、1箇所は内窓を入れ、もう1箇所はガラス交換(マドンナ)にしてアルミサッシはそのまま残してみました。
現時点の大分市内の温湿度は、気象台データによると次の通りです。
室内の温湿度はというと、次の通りです。
温度が23.1℃、湿度が49%ですので、Tシャツ1枚でも良い位にポカポカで体の芯まで暖かくなる感じです。(ちょっと暑く感じる位かな?)
この状態でサッシの結露を見てみると、ガラス交換した箇所は、ガラスには結露が無いものの、サッシ部分には結露水が流れて来ています。
そして内窓の箇所は内窓には全く結露が無いのですが、以前からの単板のアルミサッシ(外窓)には結露が発生しています。
こうやってみていくと、冬場の住環境を良くして尚且つ結露を無くそうとすると、内窓でも不十分で断熱サッシに交換するしかないという事かと思います。
現実的には、サッシ交換するとなると外壁補修(モルタル塗りや塗装)といった工事が必要になって来ますので、工事費を安くするために内窓設置という手段もあるのですが、その場合「内窓の結露は無くなって外窓の結露も減少しますが、単板アルミサッシには必ず結露が残ります」と言い切っておかないといけないですね。
大分でもこんな状態ですから、寒冷地では内窓にした位では結露は無くならない事でしょう。内窓は緩和策に過ぎないという事を説明しておかないと、工事後にトラブルになり兼ねないなと改めて感じました。