火災で、なぜ死者が?

2017年02月09日[更新]

先日の5日夜、別府市楠町で火災が発生し、3名の方が亡くなられたそうです。亡くなられた方の御冥福を心よりお祈り申し上げます。

そもそも、火事が起きない様にする事は建築・リフォームを生業としている私達の役割を越えていますが、例え火災が発生したとしても「逃げ遅れないような家」「火事が起きても命までは失わない家」を作る事は出来るし、私達の責任ではないかと私は考えています。

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報道によると、死因については「死者のうち一人が焼死、二人が一酸化炭素中毒」との事です。

こういう場合、すぐに「木造住宅」という話しが持ち上がりますが、本当に木造が原因なのでしょうか?そもそも木造住宅では、火災が発生しても30分以上は建物が倒壊しないよう、柱の太さについて「燃えシロ設計」という概念があります。無垢材には簡単に火が燃え移りませんし、煙もさほど臭いものではありません。更に、壁や天井の下地材には耐火ボードが使用されています。要するに、躯体そのものは燃えにくいような、例え燃えても逃げ遅れないような仕掛けがあるんです。では一体なぜ、こういった事態になるのでしょうか?

その原因は、火災が発生して数十秒で煙に巻かれて一酸化炭素中毒になるため、体が動かなくなって逃げ遅れる事にあると言われています。今回も死因として一酸化炭素中毒と特定されていますので、火災の際に一酸化炭素中毒になった原因が特定されるべきだと思います。

2017/ 2/ 8 18:27

私が考えるに、これは壁と天井の表面を石油化学系材料で仕上げているためだと思うのです。要するに、燃えやすい素材なんです。皆さんもご存知の通り、石油が燃えると大量の黒煙と一酸化炭素を発生させます。現場周辺の人達も盛んに「臭い」とツイッターに書き込んでいます。

火災で死者が出たというニュースを耳にするたびに、単に「安くて施工が楽だから」という事ではなく、そもそも燃える事の無い、土のような自然素材による内装仕上げを普及させていくような努力が、私達業者側にも、もっと必要なのではないかと強く感じてしまいます。

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