古民家リフォーム

2017年07月01日[更新]

私達のようなリフォーム会社にとって「新築工事と比べると、リフォーム工事は予想外に手の掛かる事が出て来て難しい」と言われています。しかしながら、リフォーム工事以上に難しいのが「古民家リフォーム」です。今回、築100年のお宅の和室をキッチンにする工事を請け負う事になりましたので、具体的に「どういう事が難しいのか」という点について、ご紹介させて頂きます。

工事前から気になっていたのが「食器棚の扉が歪んでいる」という事でした。例えば、こんな感じです。左右の扉がずれています。

下の方も同様に、明らかにずれてますね。

この食器棚を動かして、普段は見えなくなっていた柱付近を見てみると、ガラスの建具が大きく歪んでました。下の敷居部分を見て頂ければ、開いているのが分かります。

建具が歪んでいるという事は「建具の枠が歪んでいる」=「柱が沈下している」という事です。建具が歪んでいた原因を探るため、この部分の畳を剥がしてみますと、案の定、シロアリに喰われた跡がありました。

更に、床板を剥がしてみると、束の土間部分がシロアリに喰われて上から押し潰されてました。レーザーを当てて計測してみると、4cmの沈下です。

施主様に話しを聴いてみると、シロアリが出てから直ぐに駆除したそうで、今は生息していませんが、傷んだままにしていた結果、柱が沈下していました。

レーザーを当てて、1間離れた柱の垂直をチェックしてみると、ここにも影響して少し倒れてました。

以上のように「沈下した柱をどうするか」という事だけでも色んな手の掛かる対応が必要になる訳ですが、解体すると、もっと色んな問題や課題が見えて来ます

床板を剥がすと、基礎も無かったし、束もほとんどありませんでした。古民家では、耐震をあまり考えてなくて、台風で飛ばされないように、重い建物にする事に重点を置いていたようです。

天井を剥がしてみると、1M80cmの位置に、梁と桁が出て来ました。

工事のしやすさを考えると、1800の高さで天井を作ってしまう事になる(古民家は、大抵、これ位の低い高さになっています)のですが、生活しやすさを考えると、桁や梁を避けながら、少しでも高い天井にする工夫が必要になって来ます。

そして、近くから梁を見ると、長年の重みに耐えかねて、横一線にヒビが入ってます。木材が悲鳴を上げている訳です。

(画像をクリックしてアップで見ると、クラックがハッキリと分かります)

一方、解体した根太の年輪を見てみると材料は良いものを使っていたようで、キッチリと年輪が詰まった綺麗な形になっています。こういうものを見ると、建てた当時の施主様や職人さんの思いを感じて「何とか大切に残したいな」という気持ちになって来ます。

また床下の土の状態をチェックしてみると、地盤のいい場所だった事も分かりました。

それから、2階の外壁の下に壁が無かったため、耐震補強もしないといけない状態である事も想定されます。

以上の通り、工事開始前に見えて来た解決すべき問題点と課題をまとめますと、

①シロアリの影響で、柱が4cm沈下していた。(今はシロアリはいません)

基礎が無く、束もほとんどない状態だった。

③大きな重量が掛かる箇所の下に壁が無かったため、耐震上の問題がある。

④梁や桁が低かったため、ゆったり過ごせる天井の高さ(2M以上)が確保出来ない

⑤天井高が低いため、キッチンの換気扇からダクトが抜けない

⑥建物としては良い材料を使っているし、残すべき価値のある建物である。

以上の事を考慮しながら、キッチンリフォームを検討していく事になる訳です。数学的に言えば「予算も含めて、これらの制約条件をクリアしながら最適解を導き出す」という事になります。工事は今、苦労しながら進行中ですので、これらの問題点と課題をどのように解決していったのか、引き続き、本ブログにてご紹介させて頂きます。

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