横ズレの補強対策

2016年05月04日[更新]

昨日の事例は、軟弱地盤での沈下対策の事例でしたが、今日は、基礎全体が横揺れによってズレてしまった対策の事例をご紹介させて頂きます。これも、東日本大震災での福島県須賀川市(最大震度6強)の事例で、施主様からも「困ってる方の役に立つのなら、どうぞお使い下さい」とご了解を頂きました。

基礎が横ズレしたという事例に、私は今のところ大分県では遭遇していませんが、基礎自体の強度が不足した家が被災すると、次の写真のように基礎全体がズレてしまいます。

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この場合、最終的には鉄骨で横ズレしないような補強をするのですが、その前に地盤の弱かった面について、ベタ基礎で補強します。既設の基礎と一体化させるため、次のように差筋と配筋をキッチリと行います。

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そうして、コンクリを敷設してベタ基礎にします。

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基礎が横ズレしただけでなく、軟弱地盤の箇所が、下の写真で分かるように傾いてましたので、ジャッキアップして床を水平にします。

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<画像をクリックしてアップにすると、傾きがよく分かります>

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床が水平になり、基礎補強も出来た後、このように鉄骨補強して横ズレ防止の対策とします。

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基礎毎、ズレ込んだ面全体を鉄骨補強してますので、見た目の安心感だけでなく、実際にその後、余震は来ていたものの、基礎が動いた形跡がありませんでした。

地震による家屋被害には色んなパターンがあるのですが、基礎毎、横ズレするケースでは、上記の対策も一つの主要な方策になって来ると考えています。これから、同じような被災事例に出くわした際は、こういう提案もしていきたいと考えています。

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