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原因を探って、手を打つ

2016年04月30日[更新]

「原因を探って、有効な打ち手を講じる」と言葉で言うのは簡単ですが、実際に大変な場面に遭遇すると、そういった思考回路が回らなくなるというのが、現実の様です。特に今回のような震災に遭遇した場合「今までに経験のない事なので、見た目の被害に目を奪われて客観的な判断が出来なくなる」という事が一般的なようです。

今回は、私が実際に福島の震災で復旧工事を行った際の実例として、原因を探って打ち手を講じて来た内容を、簡単にご紹介させて頂きます。(施主様から、ブログへの公開を了解頂きました)

被害に遭われた方は判断に迷われても仕方ないのですが、建築業者やリフォーム業者は、それでは役割を果たした事になりません。私が常に行っている考え方のステップは、次の通りです。

①「なぜ、沈下したのか」の理由を探る。

②仮説でもいいので答えを持って沈下修正をし、その仮説検証を行う。

③検証した原因に手を打つ。

④その後の経過を確認し、必要な場合には再度、対策を講じる。

簡単に言えば以上の通りですが、③に関しては、施主様の意向が反映されなければなりません。予算制約もありますが、私が最も重視しているのは「これから何年位、使用される家なのか」という点です。これによって、どこまで手を掛けて、費用も掛けて直すのかが決まります。その方法を、私達建築・リフォーム業者が提示する訳です。

それでは、私が福島県須賀川市で遭遇して解決して来た具体的な事例を一つ、ご紹介させて頂きます。

次の写真をご覧下さい。この写真だけでは分かりにくいかも知れませんが一番軽いはずのサンルームが17cmも沈んで、玄関付近で転びそうになる位、廊下が傾いてしまいました。

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下の写真の基礎と土台の隙間分だけジャッキアップして、床が平らになりました。

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床下から外を見ると、いかに大きく沈下したのかが分かります。

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正面から見たら、サンルームが左向きにこけてる様子が分かります。

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ジャッキアップする過程において、家の状態から、サンルーム付近だけ沈下するという原因は見当たりませんでした。という事で、屋外に絞って原因を調べてみると、水捌けに関わる二つの原因が見えて来ました。

(1)排水桝からの水漏れ(コーキングの剥がれ)

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ゴムパッキンでシッカリとシール処理するのではなく、コーキング処理をしていたようですが、その後の劣化でコーキングが剥がれて、枡から水が漏れる状態になっていました。東日本大震災のようなプレート型地震では、水が漏れ続けると軟弱地盤(最悪の場合は液状化)になり、建物が沈下しやすくなります。

これについては、次の様に対策を講じました。全ての枡について、ゴムパッキンのシール処理に変わりました。

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(2)庭が逆勾配になっている。

通常は、建物から排水溝に向かって勾配を取り、排水されるようにするのですが、アプローチに段差を設けたため、玄関に向かって下がる逆勾配になっていました。これが、その証拠写真で、玄関付近に雨水が溜まるようになっていました。(施主様も、そうなっていたとお話しされてました)

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庭土を掘り返してやり直すのは大変な費用が掛かってしまいますので、このケースでは、暗渠排水を作る事で、雨水を家から遠ざけるようにしました。下の写真の砕石の下に、排水用の穴の開いた暗渠パイプを這わせています。

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この工事をした後、施主様から「雨水が面白いように砕石に吸われていってる」というお話しを聞いております。

その結果、工事から約5年が経過した今でも、再沈下する事無く、安心して生活されているそうです。それから、震災前にはいつも湿気ていたサンルーム下の土が乾いて来て、今ではアリジゴクが巣を作っているそうです。(土が乾燥している証拠)

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これからも、機会を見ながら訪問して、再沈下していないかのチェックを続けていく考えです。

これは一つの事例で、東日本大震災のプレート型地震(長い時間の揺れで、液状化現象が起きやすくなる)と、熊本大震災の直下型地震(短時間での大きな揺れで、建物自体が倒壊してしまう)とでは、被害状況も今後の地震懸念も異なって来ます。

しかしながら、考え方のプロセスは同じ訳で、個別のケースで具体的な内容を吟味した上で、対応に当たっていきたいと考えています。

震災による家屋の被害で不安な方へ

2016年04月29日[更新]

4月14日に端を発した熊本大地震により、多くの方々が被害に遭われ、今でも不安な日々を送られています。心より、お見舞いを申し上げます。

大分県でも、一部地域では震度6弱の地震が発生し、家屋に被害が出て、多くの方々が避難所での生活を余儀なくされています。こういう時に必ず起きて来るのは「不安を煽る情報」で、それによって多くの方が、更に大きな不安を抱く事態へ発展して来ます。

私は、2011年3月11日に福島県須賀川市のリフォーム会社で仕事をしていました。この時に東日本大震災が発生し、震度6強の揺れが5分以上も続いたため、甚大な被害を受け、それから3年間、震災復興工事に取り組んで参りました。

その中で学んだ最大の教訓が『壊れてしまっていない家は、必ず直せる』という事です。私が対応させて頂いた、被害の事例写真をご紹介します。震災によって、こんなに大きな被害を受けたお宅でしたが、工事によって、何の不安もなく生活出来るようになりました。(写真掲載に関しては、施主様のご了解を頂いてます)

①家の真下に断層が発生し、基礎が20センチ以上開いてしまいました。

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②地盤が西側に流れていったため、壁のクロスがボード毎、引っ張られて開いてしまってます。

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③勝手口の土間が西側へ流れてしまっています。

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自分の家がこういう事態になると「壊すしかない。資金的に無理をしても建て替えよう」と考えられるのではないでしょうか?

資金的に余裕のある方は、解体・新築をすると良いと思いますが、それほどの余裕がない大部分の方には「家を安全な状態に復旧工事して住み続ける」という選択肢を是非、検討頂きたいと思います。そして上記のお住まいも、地震が来ても安心して過ごせるまで、直させて頂いてます。

と申しますのが、昨日も九重町や湯布院町の被災住宅に伺った際「動かなくなったサッシは全部交換しないといけないと思ってた」「トイレのドアが閉まらなくなってるし、壁や玄関タイルに亀裂やワレが発生しているので、近いうちに別の場所に新築しないといけないと思っていた」といったお話しを耳にしたからなんです。実際、どちらのお宅も生活するには全く問題なく、サッシも全て動いて、戸締りも出来る様に対応致しました。

ラジオで耳にする報道では「応急対応で高額な請求をされた」というケースがあったそうです。そんな方は、是非、㈱ホームチームまでご一報下さい。東日本大震災での復旧工事の経験から、最もニーズに合った最適な解決方法を提示させて頂きます。

一人で悩む事無く、経験ある人に正しい診断をしてもらう事が、非常時には大変重要になって来ます。

大分で仕事が出来る喜び

2016年04月28日[更新]

私は大分県宇佐市出身ですが、宇佐高校を卒業してから大阪の大学に進学し、TOTO㈱に就職(勤務地は、北九州と東京)して、21年間勤めたTOTO㈱を退社してからも愛知県・福島県の会社で仕事をしていましたから、約26年もの間、大分県を離れていた事になります。

そんな私が、縁あって大分に戻ってから、色んな感動を抱きながら日々過ごしているんです。例えば、次のような場面を見て、大分県にお住まいの方々は、何か感じられますか?

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これらは全て、日常的に眼にする大分での風景の一つなんですが、長い間、大分を離れていた私にとっては、上記写真のような風景の中で仕事が出来る事に、大きな喜びを感じるようになったんです。10年以上前には、そういった感情は沸きませんでしたが、これは率直な気持ちです。

「そんな私に、一体、大分でどういう事が出来るのか?」と考えた場合、これまでに勤めて来た大きな組織や他地域での経験を持ち込んで、大分流にカスタマイズする事によって、本業である住まいに関するリフォーム業に活かせるのではないかという事を日々考えさせられています。

私が大分に戻って来る直前の3年間、福島県で仕事をする機会を得て、東日本大震災にも遭遇しました。そしてこの時、震度6強の甚大な被害を受けた地域で3年間、震災復興の取り組みをする機会に恵まれたんです。全壊判定を受けた家も、施主様・職人さん達と協力して、直してきました。そして今、熊本県と大分県は、毎日続く地震で、多くの方々が苦しまれています。

実は今日も、九重町と湯布院町で震災で被害に遭われた方のお宅を訪問して、調査の上、必要な対応を行って、今後の対応についての提案をさせて頂いた訳ですが、福島で対応して来た事が、そのまま活かされています。通常の建築の仕事でも「壊れかけている建物を直す」という事は、教科書にも書いてませんから、経験から学ぶしかありません。私は、復興工事のアフターフォローもさせて頂いてましたので、うまくいく方法と、結果として失敗する事も学んで来ました。今回の大分の震災対応では、まさにこの経験が活きて来ると実感しています。

という事で、明日以降も暫くの間、震災に絡めた内容をアップさせて頂きます。

これから、宜しくお願いします

2016年04月27日[更新]

初めまして、㈱ホームチームの安部貞一郎と申します。

2年前に、日本ハウジング㈱のリフォーム会社として立ち上げたホームチームでしたが、この度、大分市金池町に一戸建ての家をリフォームし、モデルハウス兼会社店舗としてオープンするに至りました。

看板は間に合っていませんが、外観はこんな感じです。

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事務所は2階で、1階は福祉事業所の方が就労支援の一環として、天然酵母のパン屋さんを運営されています。店内で過ごしながら食べる事が出来るようになっていますので、是非、いらして下さい。

店舗に織り込んだ工夫や内装等、このブログの中で、追ってご紹介させて頂きます。出来るだけ、毎日更新していくようにしますので、是非、毎日読まれるようにお願い致します。