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空から見える景色

2016年08月27日[更新]

私は、リフォーム工事においては工事全体の進捗を管理する立場にいますので「細部の納まりは職人に任せ、自分自身は全体俯瞰する」事を重視しています。「物事を遠くから広い視野で眺めると全く違った景色が見えて来る」という事は、飛行機で空から地上の地形を眺める事に似ている気がします。

国東半島は「両子山(ふたごさん)を中心にして、東西南北の全体が谷状の地形になっている」という事が言われてますが、飛行機から見ると、その様子が非常に良く見えて来るんです。これが、大分空港から羽田に向けて飛び立ってすぐに眼に入って来る景観です。(国東半島の東側からのアングル)

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全方位に谷が広がっているのがお分かり頂けると思います。そして、もう少し進むと、国東半島の北側に姫島が見えて来ます。

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こうやって空から眺めると、古事記に描かれている姫島を見ている気がして、何となく神様目線で見ているような錯覚に陥ってしまいます。

そして暫く進むと、大阪湾と大阪平野もクッキリと見えて来ます。

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飛行機がちょうど堺市上空を飛びますので、仁徳天皇陵(今は大仙陵古墳と学校では教えているようです)が見えて来ます。地上からでは山のようにしか見えない古墳がいかに巨大なものであるか、実感出来ます。

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そしてここから更に東へ進むと、奈良県との県境になっている生駒山脈も見えて来るんです。

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こうやって見ると、大阪の街が大きな津波に襲われても、生駒山脈までで止まるだろう事が、容易に想像出来ます。日本で最初の統一王朝が奈良県に生まれたのも、意外とそういった地形的なメリットが大きかったのかも知れないですね。

運が良ければ、空からしか見る事の出来ない夕焼けも拝む事が出来ます。

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地べた目線も大事ですが、もう一方で全体俯瞰する鳥観目線も大事なんだなと、空からの景色を見ていて感じました。

不具合の原因を探る

2016年08月26日[更新]

8月18日の本ブログに「地盤沈下によって擁壁が沈んで来た」という問題事象のご依頼について、記載していました。今日はその続きです。簡単に復習すると、大雨の際に発生した地割れと共に、崖側の擁壁が沈んで来たという問題でした。

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そしてこれまでの対策は、沈んで来た箇所や地面全体に土を盛って、地割れの箇所から雨が浸み込んでいかないようにして来たそうですが、地盤沈下はドンドン進んで来て事態が一向に改善されなかったそうです。

要するに、これまでの問題は「眼の前に起きている問題箇所に対処療法的な対策を打って来ただけだった」という事です。発生した問題の原因特定が出来ていなかったとも言えます。大抵の人は、眼の前に大きな問題が発生すると「そこを早く消し去りたい」という衝動に駆られるようで、見た目の悪さを消す事を第一に考えた対策を講じる様です。それは恐らく「問題から早く逃げ出したい」という気持ちが根底にあるからではないかと思われます。

しかし、問題解決のプロとしてとるべき姿勢は「周辺事象も含めた物事の全体を見て原因を特定し、それに対して有効な打ち手を講じる」という事です。

今回のようなケースでは、現場周辺の地形を探る事が重要になって来ます。問題が起きる時には必ず原因があるからです。

この現場に関する最大の原因は、下の写真から探る事が出来ます。お分かりでしょうか?

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地盤沈下した箇所に、盛土をしている様なんです。地山の形と地割れの箇所がほとんど一致しています。これ以上の事は、実際の工事を見ていないと分からないのですが、盛土の際にコンクリガラや石を埋めてしまうとそこに隙間が出来、雨が降るとその隙間に土が入り込んで地盤沈下してしまいます。更に大雨によって土が流れ出すと、その事自体が地盤沈下の原因になります。ですから、雨排水というのは、非常に重要な事だと私は考えています。

そもそも、家の側に排水溝があるにも関わらず、排水路を作るよりも盛土した側に自然排水させようとした事自体、地盤沈下を誘発する原因になったと考えられます。

4年前に行った工事だという事ですので、阪神淡路大震災や東日本大震災が発生した後です。盛土の問題は分かっていないといけないのですが、地震ではなく雨によって沈下して来たという事は、そもそも盛土の問題が軽視されていたと言えるのではないかと思われます。もし震度6以上の大きな地震が来ていたら、擁壁は崩落していた可能性が高いです。

今回の工事は、9月1日より開始する予定にしていますので、どういう対策を講じるのか、本ブログで御紹介させて頂くつもりです。公共工事でしたら、安全第一ですので大掛かりな工事が出来るのですが、個人宅の場合には予算制約の中で最大限の効果を出せる対策を講じる必要があります。そこに私達の知恵を出す意義があると思いますので、工事の状況もアップさせて頂きます。お楽しみに。

顔の大きい温泉?

2016年08月22日[更新]

先日、宇佐駅で面白い(?)ポスターを発見しました。面白いというより「訳の分からない」と言った方が正しいかも知れません。大分県の方は目にした事があるかも知れませんが、こういうものです。

2016/ 8/15 10:57

山香温泉の顔が大きいとは、どういう事なんでしょう?

ポスターの中味を読んでみると、含まれている温泉成分の種類が多いほど顔が大きくなるという表現方法を採っているそうなんです。

これって、大分県内でも一般的なのかどうか不明ですが、山香温泉は顔の大きさで差別化を図ろうとしているようです。

温泉成分の種類で言えば、明礬温泉や鉄輪温泉ではないかという気がするのですが、私も少し「顔の大きさ」を注意しておきたいと思います。

明日から三日間、出張で不在になりますので、ブログもその間、お休みさせて頂きます。

今市宿場

2016年08月21日[更新]

大分県北部の宇佐で生まれ育った私が大分市内で生活するようになって初めて分かった事の一つが「大分と熊本の近さ」です。宇佐にいると「熊本は北九州から博多を回って行く遥かに遠い存在」だったのですが、大分市内からは「野津原から阿蘇を抜けて行けば意外に近い場所なんだ」という事が分かりました。この事は、野津原から近い今市宿場に行けば、もっと実感出来ます。

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熊本(肥後)からの参勤交代の大名行列も、阿蘇から久住・野津原を抜けて大分(府内)・鶴崎へと向かい、鶴崎からは海路を利用していた様なんです。

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今市には、今でもこのような石畳の道が残されています。

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私もここで初めて知ったのですが、実は、伊能忠敬、勝海舟、坂本龍馬といった歴史上の人物も肥後街道を通り、今市を訪れていたようなんです。

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勝海舟と坂本龍馬が長崎と縁があった事はよく知られていますが、その往来に、鶴崎から肥後街道を通っていたのかも知れません。二人が野津原に泊まっていたとは、驚きでした。

私は仕事で大分県内のアチコチを回ってますので、これからも色んな発見がありそうで、楽しみです。大分県生まれの私も、まだまだ知らない事が多いです。

リンガーハットの価値伝達への取り組み

2016年08月20日[更新]

「長崎ちゃんぽんリンガーハット」という言葉は、九州ではあまりに有名で、私が幼い頃には既にTVから流れていた言葉でしたので、約50年に渡ってお客様の心をつかみ続けて来た会社さんであると私は認識しています。会社が50年続くだけでも素晴らしい事なのに、リンガーハットさんは更なる革新を続け、お客様を獲得し続けているようです。(私も、利用させて頂いてます)

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店内では、こういうメッセージの言葉が目に飛び込んで来ます。

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要するに、リンガーハットさんのこだわりのポイントは「国産」「健康」という事の様です。「きくらげ」にこだわってる会社というのは、私は他に聞いた事がありません。消費者としては、こういうこだわりを持ったお店で食べたいという気持ちになりますよね?

食欲旺盛な私は「顧客満足度№1」という言葉にひかれて「野菜たっぷりちゃんぽん」を注文し、麺は少しだけ遠慮して1.5倍にしました。

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それでもそこで止めとけばいいものを、チャーハンまで追加注文してしまいました。

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長崎ちゃんぽんの陰に、餃子が5個、隠れています。

私がついつい「あれもこれも」と注文してしまうのは、食材に対する安心感があるからです。長く支持され続ける会社さんは、顧客の気持ちにピッタリ来るこだわりを持ち、価値伝達し続けているからですね。「いいものを作る」のは当然ですが、そこに『有効な価値伝達』が伴って初めて顧客の心に届くという事なんでしょう。いつも何気なく立ち寄るリンガーハットさんにも、勉強させて頂きました。

町家の音楽会

2016年08月19日[更新]

今年で6回目になりましたが、ホームチームのグループ会社である、日本ハウジング㈱のモデルハウスで恒例の『町家の音楽会』が開催されました。

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お招きしたのは、オペラの本場:イタリアのフィレンツェ歌劇場で終身契約の専属バリトン歌手をされている渡辺弘樹さんと、ピアニストとして国内外で活躍されている菊池沙織さんです。渡辺さんは今、フィレンツェで生活されているのですが、大分市出身という事で、毎年お盆明けのこの時期に帰国されるタイミングに合わせて、日本ハウジングで音楽会にご協力下さってます。

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ただでさえ声量があるのですが、こんなに近くで聴けますので、体にビンビン響いて来ます。サッシの窓枠も震えるように振動していました。

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今回は、地元で活躍されているスチールパンとギター奏者の方も参加されてのコラボが実現しました。

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客席との距離がどれだけ近いかと申しますと、こんなに近いんですよ。

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普通では味わう事の出来ない体験に、観客の方々も酔いしれてました。

前半と後半の合間に、渡辺さんがフィレンツェの風景を写した写真をご紹介下さいました。その一部だけですが、ご紹介させて頂きます。しばし、ご堪能下さい。

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渡辺さんは、周囲への気配りが素晴らしい方で、来場者からの問いかけにも、丁寧に対応されていましたので、来場者は皆、笑顔で会場を後にされました。こういう点、見習わねばいけないと痛感しました。

私も最後に、記念のサインと写真撮影をお願いしてしまいました。

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やはり、地域の会社は、お客様から得た利益を、地域の方々に何らかの形でお返しするように心掛けねばならず、今回のように世界で活躍されている方と間近で触れられる機会を作り出す事も大切な役割だと思いました。ホームチームも、早くそうならないといけないですね。

腕が鳴るような案件

2016年08月18日[更新]

大抵のリフォーム屋さんは、早く簡単に仕上がる仕事を受注したがる傾向があるのですが、私の場合は何故か、誰もが解決出来なかったような難しい案件が舞い込んで来る事が多いんです。私が福島県で東日本大震災に遭った際も「どこの会社も請け負ってくれない」という相談が、不思議とたくさん舞い込んで来てました。今回も、それと同じような流れでご依頼を受けた案件がありまして、お仕事をさせて頂く事となりました。

施主様のご了解を得ましたので、ブログに掲載させて頂きます。下の写真を見て「何が問題なのか」が分かりますか?これで分かるようならプロです。

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緑色のフェンスの真ん中辺りをご覧下さい。擁壁ごと、地盤沈下して来ているんです。

もっと近くで見たら、こんなになってました。地割れを起こしています。

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そして、地盤沈下の動きに連動して、花壇にもクラックが入って来ています。

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同業の仲間には「そんなの、リフォーム屋の仕事じゃない」という人が多いのですが、皆さん「住まいに関するお客様のお困り事を解決するのがリフォーム屋だ」と仰います。だとしたら「住まいのプロとして、建築以外の分野でも、住まいに関する不具合は、相談があったら何でも解決しないといけないでしょ?」というのが私の考えです。

私も今まで、東日本大震災で全壊認定を受けた家や、大きな古刹寺院さんからのご依頼に対応して来ましたので、既に怖いもの無しの状態です。

本件では、これまでも色んな対策を講じて来たみたいですが、何をやっても沈下が止まらず、被害が拡大していったそうです。何故そうなるのか、お分かりですよね?「原因の特定がなされていないから」もしくは「特定したはずの原因が、実は間違っているから」なんです。問題が発生しているという事は、最初にやるべき事は「原因の特定」「原因への対策」です。原因を特定しないままに講じる対策は「思いつき」と言います。

何日かおきになりますが、これから数回に渡って「取り組みの際の考え方」「どういう部分に眼を付けるのか」といった点について、ご紹介させて頂きます。

大分に一蘭が・・・

2016年08月17日[更新]

大分市内に、ラーメンチェーンで有名な「一蘭」さんがある事を御存知ない方が多いと思いますが、大分中央卸売市場のすぐ前にあるのを発見しました。地名で言えば、弁天なんですけど、中央卸売市場に用がある人以外は行く事が無いような辺鄙な場所で、夜中に一歩間違えると、行き止まりにぶつかってしまいます。

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私は平日に行ったので使えなかったのですが、日曜祝日には屋台も開放されるようです。

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店内では、ラーメンへのこだわりが語られています。

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私は知らなかったんですが、2016年の麺チェーン総選挙では、第一位になったそうです。

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そして、このラーメンを平らげると、

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こういうメッセージが現われて来ます。

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一蘭大分弁天店さんでは、トイレに行っても楽しませてくれます。こういう薀蓄を垣間見る事が出来るんです。

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一蘭さんの人気の秘密は、ラーメンの味に対するこだわりは当然の事として、お店で色んな楽しみを与えてくれる事なんでしょうね。自分達の築き上げて来た価値を伝えていく工夫は、大したもんだと感心します。私も一蘭さんに学んでいかないといけません。

谷の湯

2016年08月16日[更新]

今日は、鉄輪温泉の中でも、レトロ感溢れる周辺環境にある『谷の湯』さんをご紹介させて頂きます。人通りの多いメインストリートから外れてますので、ちょっと分かりにくいかも知れませんが、昭和の時代に舞い戻ったような通りを歩いて行くと、一段低くなった場所に、こんな看板が目に入って来ます。

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受付で150円の入泉料を払って、こういう階段を降りていきます。これも風情がありますよね?

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このように、文字のかすれた古い看板も、歴史を感じさせます。よ~く見ると「谷の湯」という文字が薄っすらと見えて来ます。

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そしてお風呂に入ると、突然目に入って来る不動明王様に度肝を抜かれます。

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この下は、以前、源泉が沸いていた場所だったのではないでしょうか?

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そして浴槽には源泉掛け流しの湯が次々と流れ込んでいき、澄んでいます。

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源泉掛け流しの湯以外、近代的な施設は何もないのですが、その事がかえって魅力になっているのが、この谷の湯さんです。

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こんな鄙びた温泉で、不動明王様に見守られながら浸かっていると、心が洗われたような気がしてきます。大分県外の方には珍しいと思いますので、特に、オススメです。

宇佐モデルのトイレ、最終完成

2016年08月15日[更新]

8月6日の本ブログで、宇佐モデルのトイレが完成しましたという記事をアップしてましたが、この時はまだ「トイレが使えます」という段階でした。具体的には、紙巻器やタオルリング、手洗器木棚の蜜ロウワックス塗りが完了してませんでした。という事で今日は、最終的な完成状態をご紹介させて頂きます。

手洗器廻りは、最終的にこうなっています。全ての部材が揃うと、シックリ来ますね。

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手洗器の木棚も、蜜ロウワックスを塗りましたので、シットリとした良い色合いになりました。

全面ハイドロセラの床と節水型トイレだけでなく、縦手すりも付きました。

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写真だけでは紹介出来ませんが、ハイドロセラフロアと湯布珪藻土の壁・天井で仕上げてますので、全く臭いが無くなりました。今はまだ、工事したばかりという事もありますので、継続して確認していきたいと思います。

今の段階でも、全く臭くなる気配すらありませんので、恐らく、数年経っても大丈夫でしょう。検証していく事が楽しみです。