昨日までは、私が福島県で実際に対応させて頂いた被災住宅の事例をご紹介させて頂きましたが、今回の地震で被害のあった湯布院のある方から、写真掲載の了解を頂きましたので、ご紹介させて頂きます。
まず、ご自宅の周辺ですが、このように道路に亀裂の入っている箇所が、あちこちに見受けられました。益城町ほど大きなものではありませんが、ここにも断層が通っていたと思われます。
崩れた擁壁の様子からも、地震の大きさが伺えます。
この周辺は、湯布院の中でも被害の大きかった場所の一つで、このようにブルーシートの掛かっている箇所が、あちこちに見受けられます。
さて、私が調査と応急処置をさせて頂いた方の家の状態ですが、外から見ると襖が破れてしまっています。これは、地震の際に大きく揺れた事によるもので、被災住宅にはよく見られる光景です。これは、襖を張り直せば大丈夫です。
サッシにも、枠に歪みが出たようで、下の写真の様に、下の方に隙間が出てます。
サッシ自体がうまく嵌っていなかったため動きが悪くなっていましたし、サッシの隙間から風が吹き込んでいましたが、私達が調整対応する事で、この程度の問題はすぐに解決してしまいました。
外壁にも、クラックが入っている箇所がいくつかありました。ここは、余震が落ち着いて来たら、補修対応させて頂きます。
屋内を見回してみると、ボードが落ちてしまっていたり、クラックが入っている箇所がありました。こういった内装の問題は、構造には影響しませんので、耐震性への影響はほとんどありません。これも、余震が落ち着いて来たら、補修対応させて頂きます。
天窓からも雨漏りしていました。これについては、梅雨に入るまでの晴れた日に、早めに雨漏り対応の補修工事をさせて頂きます。天窓があると、採光という点では明るくなっていいのですが、雨漏りのリスクが高まるという事も、合わせて考えておく必要があります。
1階全体の不陸(家の傾き)も調査させて頂きましたが、最大でも15mm程度でしたので、今のところ、躯体調整するほどの被害ではありません。基礎にも大きなクラックは入っておらず、今のままでも問題ないレベルでした。
しかし、玄関付近の柱が割れて、ほぞも外れかけていた点は、要注意です。
これについては、地震の揺れで大きな荷重がかかったため、柱が耐えられなかったんだと思われますので、補強する必要があります。壁にクラックが入っているので、この廻りの壁を剥がして、補強した上で仕上げ処理をするように提案しています。
サッシが締まらなくなっていたため、防犯上の問題もあって避難所で生活され、地震による被害を受けた事が無かった施主様は「相当に大きな被害なのではないか」と思われていたようですが、この程度なら、玄関廻りの柱を除けば、ほとんど軽微な補修工事で済んでしまいます。サッシが閉まるようになったので、掃除さえすれば、今からでもご自宅で暮らせます。
湯布院では、地震の被害が報道されていますが、今のところは屋根工事とその他の補修工事をすれば、問題なく住める家が大部分です。震災復旧工事に慣れていない人は、見た目の被害に目を奪われて不要な工事までやろうとする傾向があります。当方へご相談があった方には、不陸調査や必要な復旧工事の内容判断までさせて頂きますので、是非、ご相談下さい。きっと、お役に立てると思います。