比較的最近に起きた大震災の経験から、以下の事が分かって来たと思います。
①地震被害を最低限に抑えるには、建物の耐震性以上に地盤の問題が重要です。
②特に、東日本大震災のようなプレート型地震では、揺れが大きく、長時間に渡って揺れるので、液状化による被害が大きくなります。
という事を考えると、大分県で被害が予想されている南海トラフ(プレート型地震)に備えるには、普段から大雨の際に、次の写真の様になる箇所をチェックし、対策工事しておく必要があります。
いくら新築の時に地震調査しても、このように雨水が溜まっていると、どうしても地盤が弱くなってしまうし、地面に水を含んだ状態で長くて大きな揺れに襲われると液状化して家が傾いてしまいます。これが、プレート型地震の際に起きる被害の典型例です。
例えば、こういう事になってしまいます。これは、福島県須賀川市で私が対応させて頂いた実例です。網戸の歪みに注目して下さい。
この箇所、17cmも沈んでました。工事で水平に戻すと、こんなになるんです。
ここでも工事前は、こんな感じで水溜りの跡が見受けられました。工事の際に地質調査しましたら、新築時よりもかなり地盤が弱くなっていた事も判明しています。
この時は、暗渠排水を敷設する水捌け改善工事をしました。こんな感じになります。砕石の下には、パイプに穴が開けてあって雨水が沁み込んでいくようになってます。
雨の日に見ていると、ドンドン雨水が吸われていき、水溜りは全く出来なくなりました。
工事をしてから5年が経過した時点で確認したところ、度重なる余震はあったものの、再沈下していません。今でも一年に一度、再沈下していないかどうかのチェックを続けて検証しています。
地震対策に関しては一律の対策はありませんし、分からない事が多いのは事実です。理屈よりも事実を基に「考察→実施→検証→・・・」という事を繰り返してますので、私としては自信を持っています。こういう提案をしていく事が、東日本大震災というプレート型地震で被災し、復旧工事をやって来た私の使命だと考えています。